住宅購入を決め、物件を探しているときに出会ったある不動産会社の方に
「家は一生の買い物だと思って買ってはだめですよ」
と言われました。
この方はだいぶベテランの方らしく、もう少しで定年になるから今は家を売ることよりも、若い世代の人たちが後悔しないように家の買い方を教えることが仕事だと思っている、という人でした。
この方いわく、
「一生住むつもりで売却のことは考えず家を買う人が多いが、この先の人生の中で転勤や異動、両親との同居など、何らかの理由で家を手放さなければならないこともあり得ます。
そういったときに、売却に苦労してしっかりと考えておけばよかったと後悔される方がいます。
何があるかわからない人生ですから、将来のことも見据えてリセールバリューが高い家を買うことをおすすめします。
住宅購入は自由がなくなる、プレッシャーがかかるとよく言われますが、売れる物件を購入すれば、動きたいときは売って動けますし、売れるとわかっていれば精神的にも楽になりますよ。」
とのことでした。
たしかに何が起きるかわからない人生ですから将来のことも見据えておくのは重要なことですよね。
そうなってくるとやはり将来の資産価値は気になってくるところです。
今回は将来を見据えた住宅購入のための一つの指標となる「リセールバリュー」についてご紹介します。
リセールバリューとは?不動産売却にも影響?
リセールバリューとは、購入した物件を再度売却するときの価値の高さのことです。
購入時の価格を100としたときに、築10年になったときにどれくらいの価値を維持できるかという価格維持率で表します。
例えば、購入時の価格が4,000万円で売却時の価格が4,400万円だとしたら、リセールバリューは110%となります。
リセールバリューが100%を超える場合、売却時の価格は購入時よりも高くなり、100%を割り込む場合は売却時の価格は安くなります。
リセールバリューに影響する要素
具体的にリセールバリューが高くなる要素には次のようなものが挙げられます。
・交通の利便性
・生活の利便性・快適性
・物件のスペック
・安全性
・駅からの距離
・施工会社のブランド力
・付加価値
交通の利便性
都心の駅やターミナル駅に乗り換えなし、もしくは短時間で行ける、急行が止まり利用できる、複数路線が利用できるなど、交通機関の利便性が高いことはリセールバリューを高めるポイントになります。
生活の利便性・快適性
スーパーやコンビニ、商業施設、商店街、金融機関、学校、病院などの生活に必要な施設が揃っているかといった生活の利便性、
また、緑が多い公園や娯楽施設があるかといった暮らす上での快適性もリセールバリューを高めるポイントとなります。
物件のスペック
日当たり、窓からの景色、規模や戸数、共用施設の充実度、室内設備、専用庭、ルーフバルコニーなど、その物件自体の特性も価値を決める要素となります。
これらの仕様が高いほど、リセールバリューも高くなります。
安全性
街路が整備されていて災害発生時も避難がしやすい、高台で水害のリスクが低いなど、その物件が建っている地域の特性や、物件自体の構造、設備の防犯性や防災性も要素となります。
駅からの距離
一般的に駅に近い方が生活利便性の良さにも繋がり、リセールバリューも高くなる傾向にあります。
施工会社のブランド力
売主の分譲会社や施工会社もリセールバリューに影響を与えます。
実際に、大手デベロッパーの分譲や、大手ゼネコン施工の物件は、人気が高く資産価値が高くなる傾向があるようです。
いざというときの対応力や責任をとってくれるという安心感が資産価値に繋がるそうです。
付加価値
窓からスカイツリーや東京タワーが見える、桜並木が見えるなど、セールスポイントになりそうな付加価値がある場合も、リセールバリューを高めるポイントとなります。
まとめ
将来的にいくらで売れるのか、買い手がつくような物件かを購入時に想定できていれば、いざ手放さなければならなくなったときに、売却額が低くて住宅ローンの残債が返済できないといった事態や、買い手が付かないといった事態を避けられるかもしれません。
後悔しない住宅購入をするためには、将来的な資産価値を把握した上で購入するということは重要です。
現在、一生住むつもりだから売却は考えていないという人も、資産価値を把握しておくことは決して無駄にはならないと思いますので、購入を検討している物件のリセールバリューについて考えてみてはいかがでしょうか?